2015年8月29日土曜日

戦姫絶唱シンフォギアGX第7話

◆戦姫絶唱シンフォギアGX



・第七話「輝きを継ぐ、君らしく」



開幕はマリアさんの偽りシーン集から。
強くなりたい、そうありたいともがいてきたという。
眠れる胎児のようなイメージイラストから、目覚めたマリアがみた光景は……


海。


「求める強さを手に入れるために、ここに来た!」

と言いながら、海!
水着回をはさんでくるシンフォギア。
どうしたシンフォギア、第二部開始か。

ここからほのぼの日常モノに……はならんわなあ。


イガリマ、シュルシャガマにも修復後、イグナイトモジュールを組み込んだ。
それはもちろん、セレナのアガートラームにも。

セレナの、というとまたマリアさんは悩むのかもしれないけれど。
自分の力とは……

装者が増えたこととシンフォギアの新たな力を得たことで
「ここらでひとつ特訓だな!!」
と弦十郎さんが盛り上がる。
そして露骨に嫌そうな顔をするクリス。

前回が前回だからなあ。
で、冒頭にあった海のシーンに繋がると。

しかしクリスちゃん浮き輪に乗ってバカンス気分だこれ。

特訓場所はつくばにある研究機関。
そこでは、ナスターシャ教授がフロンティアに残したデータを解析、解明している施設があった。

緒川さんらと研究員が話している分には、フォトスフィア、と呼ばれる光の球体を中心に現在分析を進めているとのこと。
フォトスフィア……あえてサイズの言及もあったことからして、仮想空間、仮想現実のように何らかの形で擬似的に世界を作り出すことができるのだろうか。
世界をバラバラにした、その先に。


一方その頃装者たちはビーチバレーをしていた。

響としては肩の力を抜くためのレクリエーションのつもりだったのだけど、まあ翼さんが勝負事に熱くならないわけがないよね!!

知識として、どういうことをすれば正しいビーチバレーなのかを既にインストールしているエルフナインが華麗にジャンプサーブ、できない。

実際にやってみるという体験、実感が伴わないと、上手くいかないものですねー、と。
マリアさんは「弱く打っても大丈夫。大事なのは、自分らしく打つことだから」、と優しく微笑む。
優しいマリアさん。
響をはじめとする装者全員は本当にこう、自分以外を救うことにかけては的確に正鵠を射抜いていくんだけどなあ……

休憩中に倒れこむクリスちゃん、そのポーズは全国の男子が死ぬ。

お昼の買出しをかけてコンビニじゃんけん。
翼さんカッコいいチョキ、いわゆる田舎チョキを出してるんですけどどこで得た知識なんだ。
ラジオでも言ってたけど確かに自分で考案しそうなのがまた面白い。

不器用だけど真剣、実直な直刃ですなあ。
斬撃武器の装者(調、切歌、翼)が軒並み負けで、買出しに行くことに。

買出しに行くなら、「ほしいものだけ買うんじゃなくて塩分とミネラルを補給できるものもちゃんと買うこと」、とか、「人気者なんだから、これ(サングラス)かけていきなさい」とか、マリアさん完全におかんポジション。
翼さんにも「母親のような顔になってるぞ」と言われる始末。

しかし、翼さんにとって母親とはどういう存在だったのか。
優しげに微笑むマリアに一瞬その面影を見たのかどうなのか。
聖母。


まあ結局好きなものばっかり買う常識人もいるんですけど。
本人曰く、「役得と言うのデース」。
そんな二人を見て微笑む翼もまた母親のような顔になってる気がする。


場面変わって、近くの神社がボロボロになっている。下から見えているのかどうなのかは判別できないが、本殿にはぶっ刺さった氷塊。
「台風かなあ」とぼやく現地の人々だけど。
どう見てもガリィです本当にありがとうございました!


イグナイトモジュールにて強制的に暴走状態に陥らせる機能は、三段階のセーフティにて制御される危険なものであるとエルフナイン。
自我を保つ特訓をしなければ、とエルフナインは訴える。
エルフナイン、どういう駒として扱われるかは謎だけど、少なくともエルフナインの自我としてシンフォギアをどうこう、という線は薄いか。

しかし、状況を忘れているわけではないだろうに「真面目だなあ~」とヘラっとした響は、少しキャロルを引きずっているのだろうか。


と、ここでガリィさんが水柱からババーンしてくる。
「夏の思い出作りは十分かしら?」
「んなわけねぇだろッ!」
真っ向から真っ先に反発するのは、イチイバル。
水着版の変身バンクを引っさげての割り込みです。


虚像を上手く使って響とクリスを吹っ飛ばすガリィ。
パワーよりも試合巧者という点が強みっぽいが。

マリアにエルフナインと未来を連れて逃げるよう指示する響。

「キャロルちゃんからの命令もなしに動いてるの!?」
「さあね~♪」
これは命令ですね間違いない。
まあ錬金術師側的には現在進行形で想定内の状況なのだろう。


戦闘の様子を感じ取った翼らが一般人に安全な場所へと逃げるよう伝えるが、唯一そこにいた大人は子供たちを連れて行かずに逃げ出した。
しかし、その大人が着ていた服には「REIDEE」の文字。
REIDEEN。
勇者ライディーン。
主人公の名は、『ひびき洸』。
「ゴッド・ラ・ムー」の掛け声と共に放たれる「ゴッド・ボイス」は、主人公の生命エネルギーを極限まで消耗させて相手の身体を共振させる超音波砲。
共振、共鳴。
捨て身の絶唱。

意味がない、わけがない。


アルカノイズと戦闘中の響が不意に気がつく。
ガリィの姿がない。
(……まさか、マリアさんのほうに!?)

ガリィは因縁つけてたからなあ。

「見つけたよ、ハズレ装者」
突っかかっていくガリィを迎え撃ったのは、左手の拳。

アガートラームを握り締める、銀の左腕。

ただしまだ変身バンクはない。
アガートラームのアームドギアは小剣らしい。
ただ、その姿と数は千変万化。OPにもあったような蛇腹にすることもできれば千の桜と化して乱れ飛ぶこともできる。

それでも、慣らしもなしのぶっつけ本番ではまだ届かない。
素のままでは。

イグナイトモジュールを抜剣したマリア。
「弱い自分を、殺すッ……!」
自分を殺して得た強さが、本物なのか。答えを見つけられていないマリアは、かつての響と同じ、純粋な暴走状態へと陥る。
そう考えると、翼とクリスが暴走には至らなかったことが、どれだけお互いの想いで繋ぎとめられたかが窺い知れる。

「うっわ、獣と堕ちやがった」
唾棄するように嘲笑しながら、ただ力を振るうだけのマリアを叩きのめすガリィ。
直線的なことしかしてこない相手には無類だろうしなこの子。
「歌ってみせろよ、アイドル大統領!」
抉る抉る。

「やけっぱちで強くなれるなんてのぼせ上がるな。ハズレ装者にはがっかりだ」
ハァ、とため息をついてガリィは撤退。
この一言は完全にマリアを刺しにきてるんだよなあ。
やけっぱちでない、本当の強さを見つけてみせろってことに繋がるわけだし。
しかし、がっかりだ、というからには多少の期待もしていたのだろうか。

「私は……何に負けたのだ……?」
倒れる自身を心配するクリスやエルフナインを他所に、うわごとのように呟く。
青空はなにも答えてくれない。


ここにきて、オートスコアラー、引いては錬金術師側の目的を完全に把握できていないことを話し合うシンフォギアメンバー。
しかし「いちいち盆が暗すぎる」、という表現は誰の仕込だクリスちゃん。SAKIMORIか。

外で一人、悩み暮れるマリアさん。強くなりたいと。
そんな足元にバレーボール。
空いた時間にビーチバレーの練習をしていたエルフナインちゃん。
ふっと、練習に付き合おうと言うマリアさんはただの優しいマリアさん。
結局は、ナスターシャ教授が一番よく見てた。
強さ、という偽りを背負わせてしまっていたことを後悔していた。
マリアは強くない。
優しいのだ。
だから烈槍でなく、appleで世界を救ったのだ。

そういえばエルフナイン、ホムンクルスとして製造、稼動してから一体どれくらいの時間が経過しているのだろう。
実稼働時間が年にも満たない、ということもありえなくはない。
だから例えばこのビーチバレーの練習も、彼女にとってはかけがえのない想い出になっている……?


「強いって、どういうことなのかな……」
計り知れない知識を有するエルフナインに、ポツリと問いかけてしまうマリアさん。
「それは、マリアさんが教えてくれたじゃないですか」
はっとしたように何かに気付きかけたマリアの目の前に、ガリィ再び。

今度こそ、アガートラームの変身バンクだ。
掲げる左腕は強さでもあり、それは優しさなのだろう。

二人の戦いを横に、ファラさんが暗躍する。

風と化して視覚では捉えきれないファラの気配を感じ取ったのは緒川さんだけ。
その緒川さんをもってしても疑念を確信に至らせないとは、ファラさん恐ろしい地味さ。

ファラの狙いは研究施設内にある何らかのデータのようだ。
アルカイノイズの反応に対して出撃していった装者たちが施設にいないうちに、内側へと忍び込む。
ニンジャァ……


自分らしくあること。
エルフナインは非力で貧弱で、それでもできることがあるとしてシンフォギア装者の力になってくれた。
自分にできること。
それはすぐに変わるものではない。
強くありたいと願うのは、自分が弱いと思っているから。
弱い自分を切り捨てても、それは強くなったのではなく、単に目を逸らしているだけ。
だから、弱いままの自分を肯定してあげられて初めて、強くなれる。

今度こそ抜剣したマリアのイグナイトモジュール。
「私は弱いまま、この呪いに反逆してみせる!」

エルフナインの勇気に応える歌だ、と示したけど、やっぱりこの人もどこまでいってもお人よし。
誰かのために歌いたい。
それがきっと自分らしくあるということなのだろう。

新技SERE†NADEでガリィを撃破したマリア。
まあアガートラームも黒いの似合わないから反転は確定してるのだけどウズウズする。

しかし、ガリィが拘っていた「一番乗り」、という言葉の真意とは……?
チフォージュ・シャトーの青い垂れ幕にも、ガリィの使っていたような錬金術の文様が輝き、浮かび上がっている。
オートスコアラーも、撃破されることに意味がある……?


海に来たら夜は花火ですよね!
これ、言い出したの響だろ絶対。

「うん、充実した特訓であったな」
「それ、本気で言ってるんすか」

短いながらも翼とクリスのこの掛け合い。これだけで胸を打つ。
二人の関係が、どれだけ「普通」なものになっているかが垣間見えて。

「充実も充実~! だからお腹がすいてきたと思いません?」
響の言葉を発端に、再び行われるコンビニじゃんけん。

今度はパーを出した響の一人負けである。
「『パー』とは実にお前らしいなあ」とニヤニヤするクリスちゃん。
「拳の可能性を疑ったばっかりに……」と涙ぐむ響。

けど、パーが響らしいというのは、包むものの象形、誰とでも繋がれると信じる響が拳でないものも持っているということに他ならない。
広げた手のひらに大切なものを包み握り締めて、拳を作っているのだ。

まあ一人負けといっても未来さんが付いていくんですけどね!!!!!


買出しに行ったコンビニ前の自販機ではしゃぐ響、入り口に立っていた未来に店内から声がかかる。
ネームプレートには、「守崎 洸」の文字。
REIDEE。

なぜ声をかけてしまったのか。

響と洸。
娘と父。

世界を救った勇者に対し、勇者の名前を持つ父親は何を刻むのか。



2015年8月20日木曜日

戦姫絶唱シンフォギアGX6話

◆戦姫絶唱シンフォギアGX



・第六話「抜剣」


開幕はキャロルの回想シーンから。
パパことイザークさんと二人で流行病を治す薬を作るために、それの原料となるものを採取しに来ているようだ。
場所はマッターホルンぽい雰囲気。

「世界の全てが知りたいんだ……人と人がわかりあうためには、とても大切なことなんだよ」

皮肉にも、この言葉を発したイザークは他者から理解されることなく処刑された……というのがバックグラウンドにあるようだけど。
とすると、キャロルにとって「世界の全てを知る」ということはどういう目的で行われるのか。
世界をバラバラにする万象黙示録の完成。


新型シンフォギアに身を包んだ先輩コンビがミカに反撃開始。
そして唐突なマリアさんの「男どもは見るな!」という釘刺し。
いやまあ切歌と調は裸体だけどもさ。だけどもさ。

あとつい勢いで目をふさがれる響。未来さん強いぜ……。


アルカノイズを慣らし運転で片付ける。
曲はもちろん、BAYONET CHARGE。銃剣突撃である。

この曲のタイトルがかなり好き。
銃剣、突撃銃の先端に専用のアタッチメントを取り付けて近接戦闘に対応させるものだけれど、この二人にしての意味合いはまさしく、銃と剣が一体となって戦う、ということだろう。
カッコいいよねえ。

翼さんが「挨拶など無用」と入るのも、「挨拶無用のガトリング」からきてるんだろうし、本当にいままで積み重ねてきたもの積み上げてきたものが曲となって歌となって表現されるシンフォギアは素敵だ。
もちろん逆のクリスも歌いだしの歌詞に「ひとつめ、ふたつめ」と入ってることからしてもうね。
Bメロがすごいすきなんだよなあ。


強化型シンフォギアにはアルカノイズの分解に対するバリアフィールドの調整も入っているようで、攻撃を受けることも問題なく行えている。
こうなれば普段どおりの戦闘で対応できるノイズは数と規模の問題になってくるか。
昔のノイズさんと違って人だけを殺す兵器じゃないからなあ。


ここは二人に任せるです、と切歌と調は戦闘領域から撤退。
調は「私たちが足手まといだから……!」と悔やんでいるようだけど、適合係数の低さと合わせてストーリーに後々かかってくるかな?


戦闘のクライマックスはもはや恒例のノンチャージMEGA DETH FUGA。
金子さんがツイッターでも仰ってたようにクリスと翼の戦闘レベルはかなり群を抜いて高い。

「はン、ちょせえ」
とミカを吹き飛ばしたところでキャロルの登場。

ラスボスとの対決……か?


まさかのキャロル変身シーンである。
アウフヴァッヘン波形に非常によく似たパターン。
竪琴をモチーフにした聖遺物の起動である。

「これくらいあれば不足はなかろう」
胸を強調しながら言うのはやめて差し上げろ。
しかしまさしく北欧美人だなキャロル。

聖遺物の力はまさに強力無比なものであるけれど、歌うことでフォニックゲインを高めて起動したネフシュタンやガングニールで共鳴させたデュランダルとは違い、まったく歌わずに聖遺物を動かしている。
そのエネルギー源とは、思い出。

思い出という脳内の電気信号を変換、焼却したもの。
この焼却は償却にもかかってるいのだろうか。

目覚めて日の浅いオートスコアラーは思い出というエネルギーを他者から奪わなければいけなかったが、数百年を生きながらえたキャロルは己の思い出だけで強大な力を発揮できるということ。

エルフナインに記憶の転送複写した思惑が見え隠れ。


とりあえずラスボスにボコされる先輩コンビだけれど、イグナイトモジュールの真価はここから、らしい。
「付き合ってもらえるか」
「無論、一人でいかせるものか」

不穏なワードを出しながらイグナイトモジュールを「抜剣」
ダインスレイヴという起動音と共に、二人の身体を貫く。


語られるシンフォギアの決戦機能。
ひとつは絶唱、もうひとつはエクスドライブモード。
その二つには致命的な欠点があり、絶唱は装者の相打ち前提気味であり、負担を考えればそう連発できるものでないということ。
そしてエクスドライブモードは言わずもがな、奇跡のようなものなのでいつもフォニックゲインをそんな簡単に発動させられる状態に持っていけないということ。

しかしイグナイトモジュール。
シンフォギアの暴走はかつて片腕を失った響にアームドギアとして腕を再生させたばかりか、ネフィリムを圧倒した力やアースガルズをぶち抜いた(あれはフィーネが手を抜いた可能性もあるけど)記録もある。

暴走をコントロールして純粋に戦闘力へと変えることができれば。
やっぱりダインスレイヴは魔剣ですよね。

ダインスレイヴで負の感情を増幅させられている二人が見た景色は。


翼の場合。
なんの輝きもないステージで、ノイズを相手に歌い続けること。
「私の歌を聴いてくれるのは、敵しかいないのか……?」

痛切だけど、端的に未来のなさを表してるエグさ。
そこに加え、「お前が娘であるものか。どこまでも穢れた風鳴の道具に過ぎん」という父親からの呪い。
それでも認められたい、という思いで自らを剣と化し、鍛え上げてきた。
しかしその力では、大切だった奏を守ることはできなかった。

『人の世が剣を受け入れることなどない』

フィーネがかつてのたまった台詞だけれど。
剣のままでは誰かと寄り添うことはできない。触れるものを皆傷つけてしまうから。


クリスが見た光景。

教室での日常。
ずっとほしかったもの、暖かい陽だまり。
モノクロームでなく、色づいた景色でもどこか違和感を覚えてしまう。
自分を慕ってくれた後輩もできた。それなのに自分のせいで周りが傷ついてしまう。

ひとりぼっちがこんな場所にいてはいけないんだ。
でなければ、自分のせいで周りの奴らが死んで、本当に独りぼっちになってしまう。

ここで、本当に死ぬ=二度と取り戻せないということを想像するあたりが翼とクリスの共通項なのかも。
もっと言えば響を含めた三人が、かつてあった陽だまりを喪失してる経験者なのよね。

ボロボロと泣きながら陽だまりから逃げていこうとしたクリスの腕を掴んだのは、同じく底なしの沼でもがいている翼だった。

基本原理というか、響と同じところを抱えている三人なのよね。
「私の歌は、誰かを傷つけるだけのものなのか……?」
という。

しかし、イグナイトモジュールの起動には失敗。
エルフナインはキャロルの錬金術には勝てないのか……と肩を落とすが、未来さんがまず最初に「大丈夫」発言。

可能性が全て尽きたわけじゃないから。
そういってエルフナインがもつもうひとつのギア、ガングニールを響へと向ける。
既に強化改修は終わっていたのか。

「ギアも可能性も、二度と壊させやしないから」

そう告げた響は凛としていたけれど、これは戦う覚悟をもったからなのか、それともまだ誰かを傷つけてでも守りたいものがあるからというところには踏み込んでいないのか?


ここにきてアルカノイズをばら撒くキャロル。
市街への被害はやはり昔のノイズさんと比べ物にならないかも。

「歌えないのなら、分解されるものどもの悲鳴をそこで聞け!」
これまた苛烈かつ的確な言い回し。
歌を聞かせる側のシンフォギア装者が守れないのなら、お前らが聴衆となって断末魔を聞き届けろと。


そこにミサイルに乗って響が登場。
一話のオマージュであるならば、三人が揃って歌う曲はひとつしかない。
RADIANT FORCEのイントロと共に、響は言う。

未来が教えてくれた、シンフォギアで救われたもの。
だから、シンフォギアを信じる。
自分を、胸の歌を信じる。
暗闇に飲み込まれそうでも、きっと一緒なら。

「――抜剣!」
と書いて、アクセスッ!! と読むよねもう。


イグナイトバージョンのRADIANT FORCEと三人の変身バンク。
勝ちです。

しかし変身した三人は黒い。
実に黒い。
これはもう一反転ありますね、イグナイトモジュール抜剣エクスドライブモードからの絶唱が今期のラストと予想。


この姿を見てマリアは「悪を貫く強さを……!」とアガートラームを握り締める。
アガートラームに黒は似合わないけど、どうなるんじゃろ。

イグナイトバージョンのRADIANT FORCEは超荒々しくなってます。
主にドラムの暴れ方。

アルカノイズ3000をたかだかと言ってしまうあたり、性能はエクスドライブ時のあれに匹敵するんだろうか。

未来さん、ヤバイ級の肝の据わり方してます。
完全に極道の妻です。
「私には何もできないけれど、全部抱きしめてみせる」

響が信じてくれていたから、未来さんは自分を真っ直ぐに信じられるようになった、ということだろうか。

ミカの時には不発だったボディへの一撃で動きを止めてからのスーパーイナヅマキック、もしくはジャコビニ流星アタック。

「勝ったの……?」
「ですです……デース!」

以前の響なら間違いなく動きを止めたところで攻撃をやめていたと思う。
しかし今回は躊躇なくそのシンフォギアの力でとどめを刺しにいった。

この変化がストーリーにどう影響するか。

「どうして、世界をバラバラに……」
「忘れたよ、思い出を焼却して戦う力に変えたときに」

ただ、こうして話し合おうとする姿勢は変わっていない。
この返事を聞くと、キャロルもまた響と似ているよね。
悩むポイントというか、こじらせ方が。
シンフォギアを信じられなくなって歌えなくなった響。
歌う理由、戦う理由。

「その呪われた旋律で誰かを救えるなどと思い上がるな」

キャロルはそう言い残して自害する。
呪われた旋律、というのはどこにかかっているのだろうか。
イグナイトモジュールのことか、それともシンフォギアにはまだなにかあるのか。


だが、キャロルの死によって歯車は噛み合い、チフォージュ・シャトーは動き出さんとしている。
オートスコアラーも準備万端といった体だし、キャロルの肉体的消滅は計算通りなのだろう。

ここでエルフナインがどう動くことになるのか、またシンフォギアの歌はどのようになってしまうのかがここからの展開の中心になるだろうか。
ようやくここでタイトルロゴにある響のイラストが回収されたわけだけど。はてさて。

イグナイト・モジュール。
ナイトブレイザー。
それは、全てを焼き尽くしてしまう暴力なのか……?

2015年8月9日日曜日

戦姫絶唱シンフォギアGX5話

◆戦姫絶唱シンフォギアGX




・第五話


冒頭は前回の続き、響のシンフォギアを破壊し撤退したオートスコアラーと救出に向かう緒川さん。
そしてプロジェクト・イグナイト。


救護室に運ばれていく響。
未来の呼びかけにも応えられず、意識は失ったまま。
物理的にも上げて落とされたし他の二人とは引きずるダメージも明らかに大きいのが見て取れる。

不安げな未来を翼とクリスは励ます。
同時に、乗り越えてきた響を信じると自分らに言い聞かせているようにも。

それほどまでに今回の敵は恐ろしい。


一週間が経過しても響の意識は戻らず。
破壊されたペンダントの後ろに響の胸の傷が映し出される。
毎回この傷跡を見るたびにブギーポップのフォルテッシモを想起するんだよなあ。

ぼんやりとしたまま授業中であることを忘れてピアノの演奏を止めてしまう未来であった。


一週間の間にプロジェクト・イグナイトは89%まで進んでた。
早い!
エルフナインちゃんしか携われないだろう技術であるのに一人でかー。
そこはかとなくブラック。


移動型本部のメンテナンスも合わせて行ってるらしい。
調整やらなんやらでてんやわんや……のはずだけどそこをなんとかしたのが八紘兄貴。
風鳴八紘さんらしい。

内閣情報官であり、弦十郎さんのお兄さん。
それはつまり、翼のお父さんということ。

ここにきてようやく触れられた翼の肉親、家族関係の話だ。
思えばあの幼いときからシンフォギアの起動実験に関わっていたのだから、元々防人の系譜ということを差し引いても一筋縄ではいかない家庭なのだろうと。

現に父親のことを話す翼の表情はあまり浮いたものではない。
しかしクリスや響からすれば、「生きてそこにいるのだから、対話できるだけマシ」という風にも見えるわな。

どうもマリアがS.O.N.G.にすんなり転属できたのも、この八紘さんの力添えあってのことらしい。


と、そこに響の様子を見てきた未来さん。
緒川さんいわく、大きな外傷もないし生命維持装置が機能しているから(肉体的には)心配ない、とのこと。
結構頭から血とか出てたけど大丈夫だったのか……。

そうは言っても表情は晴れない未来。


ここからキャロルの回想、エルフナインの夢。
夢。である。

暖かく優しそうな錬金術師の父親と寄り添って生きていたことが伺える一幕。
母親がどうなっていたのかは不明。
もしかするとキャロル自身ですらホムンクルスの可能性もある。

「生きて、もっと世界を知るんだ。それがキャロルの――」
そう最期に言い残して炎に包まれていった父親。
夢は呪いである。

キャロルはエルフナインに自分の記憶も転送複写しているらしい。
ますますもってきな臭い。
神の器。


シンフォアギアの回収作業が終わる前に、アルカノイズ襲来。
敵の狙いは発電所。
本部へのエネルギー供給を絶つことが目的?

衝撃と轟音に飛び出してきた調と切歌が、状況を察知。
潜入美人捜査官メガネをつけて駆け出していく調は「時間稼ぎ」をすると言う。

これには切歌も「なんですと!?」。
無策のままでは何もできないとブレーキをかける。
これは確かに常識人だ。

二人がやってきた先はメディカルルーム。
そこにある策とは……!


アルカノイズの位相差空間干渉力というか、実体化に関する部分は結構緩いらしい。
なんと通常兵器での損壊を確認。やったぜ。
でも次の瞬間にやられる。悲しいね。


そして戦場に立つ調と切歌。
変身バンクと歌は調。
両手にヨーヨーを構えて勇ましさアップだ。
スケバンというか、メダロットにいたなあこんなデザインと思ってしまった。

この二人のユニゾンは状況対応力が非常に高い。
機動力と範囲殲滅力に優れているので、互いがカバーリングしやすく敵からは崩しにくいだろうなあ。
それをだいたい一人でやってしまうクリスも大概におかしいスペックだ。

新技、艶式アクセルも披露しノイズを片付けていく二人。
いまのところ多少苦しそうではあるが、シンフォギアのバックファイアをある程度抑えられている様子。
そんな二人を高みの見物、お先真っ暗と評すのはミカ。

またしても最強。
気楽に立ちはだかってくれるものだ。


意識を失っている響もまた、夢を見ていた。
奇しくもキャロルと同じく、それは父を失う夢だ。

目覚めた響は自分のことを「大切なものを壊してばかり」と。
それでも未来の気持ちに応えなければ……と身体を起こして気がつく。
胸の歌のありかはいずこ。

寄る辺なき力というか、やはりあれだけ様々なものを守ってきていてもまだ「壊した」という自罰的思考のほうが強いのか。
呪いであるな。
未来さん頑張れ超頑張れ。


シュルシャガナとイガリマのバックファイアが抑えられている理由は、メディカルルームから持ち出したLiNKER。
モデル・K。
かつて奏が用いていたLiNKERだった。

無茶は承知。
それでも守りたいものがあるのだから。

いよいよ始まる――いよいよ終わる。
万象は黙示録へと記される、とキャロルは言い放つけれど、世界をバラバラにするというのはやはり再構築への布石なのだろうか。


そして調と切歌に襲い掛かるミカ。
飛び出そうとするクリスを止める翼。
昔なら翼がいの一番に飛び出していきそうなものだった、というか飛び出したいのは同じ気持ちだ。
守れない悔しさを誰より感じているのは他の誰でもない、翼なのだ。
言葉を返すことのできないクリス。そんな二人の目の前にヘイお待ちどうしにきたエルフナイン。
「お願いがある」と言っていたが、プロジェクト・イグナイト。すんなり行かないのはわかっている。


ミカに押される調と切歌は更なるLiNKERの投与による適合係数の上昇を図る。
止めようとする弦十郎さんと、そのままやらせてあげてほしいというマリア。
せめて歩ませよ我が贖いの道を。

しかしマリアは戦えない自分を痛烈に歯がゆく。
マリアもまたいまは二人を信じることしかできない。

調と切歌は互いにLiNKERを打ち込み、オーバードースを受け入れながらユニゾンを歌う。
そかしそれでも、ミカには届かない。

そこで実は切歌のほうがフォニックゲインが高いことが明かされる。
というか、それを観測できる何かを持っているのか?


発電システムがダウンして内部電源に切り替わったところでコントロールルームに響現る。
「また歌えるようになったのは、未来のおかげだよ」
という笑顔がどこか違ってみえるが……。

大丈夫、へっちゃら。なわけはないのだ。


遊びは終わり。
打ち砕かれる切歌のギア。
仲良死こよ死。
調に価値を見出さないキャロルは好きに始末しろと。

ミカはアルカノイズを大量に呼び出して消耗戦。
もちろんそんなものを捌き続けられるほど調に余力が残されているわけもなく。
時限式に乗っかるものは重い。

ギアを砕かれた調を、完全に始末するつもりでアルカノイズが襲い掛かる。
いままでの装者に対してはギアを砕いた後撤退をしていたオートスコアラーが調にだけとどめをさそうとしたことから、まだ他の装者に対しては何らかの狙いがあると見てほぼ間違いはないだろう。
プロジェクト・イグナイト。果たして。

誰か調を助けてと叫んだ切歌に応えたのは。
剣と銃。

ハードロックな和調のイントロ、翼とクリスのユニゾンを引っさげて再び戦場に立つ先輩コンビ。
ここからが戦いの本番だ。

2015年8月3日月曜日

戦姫絶唱シンフォギアGX4話

◆戦姫絶唱シンフォギアGX


・第四話


開幕アバンは二期少し前のお話か。
マムがセレナのシンフォギア、アガートラームをマリアにお守りとして渡すところから。
「破損したギアを作戦に組み込むことはない」
それでもそのギアを保管していて、マリアに託したことには意味があると。

セレナのように強くありたいと思うマリアさん。
ある種そう思えることが既に強い。

しかしOPでダインスレイヴ砕け散ってるんだけど、完全に暗示ですよね……?


変身できない響を救ったのは、まさかの三人娘。
変なところで肝が据わっている寺島さん。

とりあえず関係ないから道を空けろと言われたら、ガリィも目的にそぐわないためそうするしかない。

まあ結局はバレているのでアルカノイズさんの追撃を受けるのですが。
上げて落とす。


アルカノイズにより物理的に足をすくわれた響の手からガングニールが投げ出される。
しかしそれを華麗にキャッチするものが!!

久々にきました。
マリアの烈槍タイム。

黒いガングニール。
もうその心に偽りなく、身にまとう黒衣の外套はなくなっている。


しかしマリアも適合係数は決して高くない。
バックファイアが身体を蝕んでいく。

アルカノイズを片付けて飛翔からガリィへの一撃。
しかし容易く受け止められてしまう。サンライズハートよろしく槍の刃を分割して内部から一回り小さい槍で防御をこじ開けようと試みるも、それも防がれ反撃をもらう。

ガリィの刃がマリアが纏ったシンフォギアを貫かんとしたところでギアがもたずに強制解除。

興が醒めた、あるいは目的が達成できないと判断したガリィは一時撤退。


マリアは託したガングニールを響に返そうとする。
そこでいままででは見られなかった響の一幕。
マリアが言葉を繋ぐより早く、ペンダントを奪い取ったのだ。
これには未来も、周りの三人娘も動揺している。

「人助けのための、私のガングニール」、だと。
まさに響たちを守るために戦い、バックファイアに身を焼かれ血を噴出しているマリアを前にして、この言葉である。

直後に謝りはしたものの、自分の中で整理がつかない表情を浮かべる響。
それに対し、「そう。ガングニールはお前の力だ、だから目を背けるな」と叱咤するマリアさん。
本当に頼れる存在。
まるで二期後半の響が、何も力を持っていないのに人助けを躊躇っていなかったあの姿にも似て。

キャロルサイドに場面は移り、計画についての情報が見え隠れ。
レイラインの解放。
チフォージュ・シャトーにどのような意味を持つのかそれともまた別件か。
少なくともガリィは現状それを目的としているようだ。


響と未来の夜会話。
響は、私の歌が誰かを傷つけてしまうのが怖いと言う。
未来は、響の歌が誰かを傷つけるものじゃないことを、『私が知っている』、と返す。


マムことナスターシャ博士の墓前で決意を新たにするマリア、切歌、調。
しかし醤油キクコーマンはどうなのだ常識人。


響が歌えなくなったのはもしかしたら歌う理由を忘れたからではないかと安藤さん。
未来にも思う節があるのか、悩んだ顔つき。


S.O.N.G.ではキャロル陣営に対する作戦会議。
プロジェクト・イグナイト。


その日の帰途、未来は響に初めてシンフォギアを身にまとったときのことを覚えているか尋ねた。
響は「無我夢中だったから……どうだったか」と。
視聴者にとって絶対に忘れられないシーンでもある。
一期一話のラストを飾った響の変身は、誰かを助けるために歌われたもの。
そして同時に、あの真っ黒な破壊衝動が表に出てきた場面だ。


しかし敵は待ってくれない。
響と未来にやってきたのは戦闘特化のオートスコアラー、ミカとアルカノイズだ。

いい加減歌ってくれないと大切なもの、そうでないものも全部バラバラに解剖すると告げるミカ。
未来にその脅威が向けられる。

そして未来は響に叫ぶ。
「私は響と戦って救われた」
だから、響の歌が人を傷つけるだけのものじゃないと知っている。
いつか響が叫んだ悲しくも力強かった言葉。
「この拳も、命も、シンフォギアだ」と。
だからそう、怖がらないで、信じてあげて。と。

足場を壊されて落下していく未来の脳裏には、傷つくことを恐れず、身体を張って未来を助けに来てくれた響の姿。
――誰かのために、響の歌を――

ここで思い出した。
正直なところ未来も「前向きな自殺衝動」を抱えているに等しいのだ。
響にとって唯一、贖いきれない罪を分かち合える存在。
未来がいるから響は響でいられるし、その逆もしかり。


「もう迷わない。だから聴いて――私の歌を!」
再びガングニールを纏った響は未来を救ってそう放つ。

こうなった状態の響にアルカノイズは物の数ではない。
瞬殺してミカへと連撃を叩き込む……はずだったのだが。

翼さんがフラグを立てたので。
シンフォギアを貫かれました。
上げて落とす。

落とし方が尋常ではない。
意識不明どころか生死不明だ。
未来の絶叫でEDへ。

Cパートではオートスコアラーの撤退とプロジェクト・イグナイトの推進を翼、クリスが告げて終わる。


ついに響が完全敗北。
ネフィリムの一件は暴走して響の記憶からもあいまいだったし、迷いを振り切った挙句にどうしようもなく打ち砕かれた今回は非常に重たい意味を持つ。

コワレタモノになるのは、さて……。
シンフォギアを万全にしてから何かするのがキャロル側の目的らしいし(歌をどうこう、とガリィものたまっていたし)、想い出。歌。
単なる蒐集ではないだろう。

響の反抗期がひと段落したところで、今度はやはり過去に立ち向かうのだろうか。
響も未来も、世界に歪められた存在だ。

未来が響に寄り添えるのは、過去あの災厄に巻き込んだ挙句に家族をバラバラにしてしまった、という逃れられない意識が根底にあるだろう。
もちろんそれだけでないと思うが、それが明かされるのは今後の展開か。

この二人はいまのままだと生きている限り完全に罪の意識から逃れるのことはできない。
過去は変えられないのだから。

しかし。
もしも。
過去が変えられるとするならば……?

キャロルの真の目的もまだ明かされていない。

彼女たちがどう生きていくのか、目が離せない。